一番最初の記憶?
京都で生まれて3歳で東京に引っ越してるので
たぶん引っ越すまでの記憶がそうなんだろうなと思うんだけど
もし引っ越さなければいろいろなことを
もっと覚えてたかもしれないし
そうじゃなかったかもしれない。
さすがに3歳なのでほとんどおぼえてない。
今みたいにアイホンとかもない時代だし。
幼稚園に見学に行ったり、東京に来て引っ越してきたマンションを外から見て
お父さんとあそこがうちだよって指さして見たのとか覚えてるから
そのぐらいが最初の記憶なのかも。
京都の記憶は断片的にぼんやりとはあるんだけど
やっぱりほとんどおぼえてない。
でもめちゃくちゃぼけてかすんでるんだけど脳みそのどこかにあると思う。
絵のルーツってそういう自分の脳みそに一番影響を受けてると思う。
人の絵を見てもしっくりこない。
もちろん人の絵を見ていいと思うこともあるし
絵は好きだけど。
描くのは脳みそに映る映像がもととなっている。
電車と自転車が好き。
次々と移りかわる景色が好き。
おれは落ち着きがなくじっとしているのが苦手。
だから移動していることが落ち着く。
なんで電車と自転車が好きになったかというと
もとは子供のころ学校とかきらいだったし
家もいやだったし行き場がなかったから。
本当にありふれた子供時代の話だね。
ほんとうに退屈だった。
何も好きじゃなかったし何も楽しくなかった。
だからよくひとりでぶらぶら自転車とか電車で行けるところまで遠くに行ってた。
もしできるなら死んじゃおうかなとか考えながら。
ほんとによくあるはなしですね。
おれもそういうひとりだよ。
そういうわけで自転車と電車が好きだ。
でも自転車と電車が好きといっても別に詳しくもないし、
トリックも何もできない、ゆるいくだり坂をゆっくりこがずにただ乗っていたいだけだし
電車のこともよく知らない。ただ空いてる電車に乗って写真撮ったりしたいだけかな。
そういうふうに今まで過ごしてきて思ったのは
ずっと同じような繰り返しみたいな感じなんだけど
同じって一回もないんだ。
同じ光とか形とかって。
つぎつぎと変わっていく。
絵と音楽で表現したいなと思うところはそういうのかなと思う。
きれいなのが好きで、
きれいというのは逆に言うと汚くない、汚れていないというか、
自然に近い感じ、人の手が加えられていない感じ。
数値とかに置き換えてではないもの。
二度と同じことがないもの。
そういうのがきれいだと思う。
電車乗ってて光がきらきらしてるの見てきれいだなあと思う。
そういうきらきらしてきれいな感じを絵に写したい。描くというより写すというほうが近いのかも。
そういう光、色、形とか限りなくある
できるだけたくさん描きたい
すべてを描くことはできない。
置く場所がないとか売れないからとかなら
捨てればいいと思う。
それで新しく描いたほうがいいと思う。
できるだけ新しいほうがいいと思うんだけど、
古いものを見返してみると変化していて
それもいいと思う。
本当は全部取っておいたほうがいいんだけど
それは難しい。
今までの絵全部を一度に展示してみたい。
脳みその全データを絵に書き出してみたい。
書き出したい絵全てを展示してみたい。